ある少年の片思い秘話

 

遠い昔の話です。

当時一方的にある年上の女性に片思いをしていた弱冠二十歳の男の子がいましたとさ。

片思いと言っても、まあ、交流はありましたし、なんなら仲はかなり良かったそうです。

いわゆる「友達以上恋人未満的関係」。

 

あるとき、その女性は浮かない顔していたので、話を聞いてみたところ、友人・対人関係で悩んでいたそうな。

 

そしてその男の子の前でポロっと一言。

「どうしよう..」

と。

独り言に近い感じでつぶやいてました。

 

 

彼は自信・勇気をつけてあげたいという思い、

そしてどさくさに紛れて、ダメもとで好きという想いを伝えようと、

笑顔で、

「まあ、でもぼくがいるじゃないですか!(^^)」

と言ってみました。

 

返ってきたものは

「ん~..」

というどこか不満そうな微妙な反応でした。

 

 

「そっか、ぼくはこの人の眼中にはないんだ。」

と悟りました。 

そして「ぼくじゃダメなんだ」

と悟りました。

 

 もし少しでも向こうに、彼に対して想いがあるなら、

きっともっと、こう、なんだろう、

「ありがとう」に続いて何かが進展していたと期待していたのだろう。

でも、何も起こらず、

淡々と時間が過ぎていき、何事もなかったかのように

そのドキドキタイムは終わりました。

 

 

ある少年の、遠い昔の片思いの話でした。