「LINE教えてください」から考える周波数
バイト先で、従業員の女の子から
LINEの交換を求められたことが、
一度だけある気がする。
気がする、という理由はあとで説明する。
でも、そのときは「そんなわけないよなあ」
と思った。
というのも、その人とは、お互い顔見知りではあったが、
その日初めて一緒に働き、初めて話す仲でしかなかったからだ。
それに会ってまだそんなに時間が経ってない中で「交換しましょう」なんてことがあるわけないという、自分のこれまでの経験則から生み出された先入観が、そう思わせた。
だから聞き間違いだと思った。それに聞き取れないのはガヤガヤしているところ(実際はそこまでガヤガヤしてない)で言われたから、しっかり聞き取れなかったんだと、環境のせいにした。
気を取り直して、もう一度聞きなおした。
それでもなお、「LINEを」というところまで聞こえるのだけれど、
それより先はしっかり聞き取れない。
もう一度聞き返すのは間が悪いと思い、「ハハ(^^)ね~♪」というお得意の満面の愛想笑いでその場を乗り切ろうとした。
いつも通りであれば、こういう状況はお茶の子さいさいだ。
しかし、なんとも微妙な空気が流れた。
沈黙に近いような、相手は何かを待っているような..
「ん..すみません、何て言いましたか?」
はもう流石に言えるわけがないので、
ついには、「あら、あそこの棚に皿溜まってるなあ」とボソッと独り言を残し、何かをやらなきゃダメアピールをしてその場を去った。
向こうもその場を去った。
結局、それ以降はLINEの交換?を迫られることもなかったし、交換もすることなく、その日の勤務を終えた。
翌日、ことの発端をある女性の友人に話したら、
「それ、絶対LINE交換したかったんだよ」
「たぶん好意があったんだよ」
「愛想笑いによってはぐらかされたと思ったんだよ」
と説明された。
まあ、恋人がそもそもいるから、お仕事関係以外で異性の方と連絡先交換するのは良くないなあと思っているし、結果的には良かったけれど、
「これはまずいことしたなあ」と思った。
おそらくしっかり聞き取れなかったのは、その人と自分の周波数が合ってなかったからだとぼくは勝手に思っている。
決してその人に 興味がないわけではなかったし、話の内容もつまらないなんて思わない(と言っても、内容と言うほどの会話はしてない)
でも、聞き取れなかった、どんなに集中しても。
人間って、コミュニケーションをとるうえで周波数がどうしても関わってくると思うんです。基本的には相手に合わせて自動でそのダイヤルは調節されるんですけど、ごく稀に必死で周波数を探さなければならない人がいる。
その方法はいろいろで、日々の会話を地道に重ねていくことだったり、対象の行動を観察することかもしれないし、もしかしたら一度ぶつかる(ケンカ)ことで距離感を掴むことから始める場合も無きにしも非ず。
周波数、大事ですね。