ラングエージハラスメント

 

イタリア旅行中、少し気まずい体験をした。

 

帰路は、ヴェネチア➡ローマ➡日本 であった。

国内線でローマまで行く手続きのなかで、

手荷物検査があった。

 

その検査場には、イタリア人の女性検査官がいた。

そこで、

Do you understand English? Or Italian?

なんて聞かれたもんだから、英語デオ願イシマス、と英語で答えたら、

「Ok」以降、イタリア語で手荷物検査の案内をされた。

ウェイトウェイト、チョットタンマ。

ソーリーソーリー、アノ、英語デオ願イシマス。

と微笑しながら英語で再度要求した。

 

最初は、ネタかと思った。

逆を突くタイプのボケかと思い、

一本取られたなぁなんて思ってた。

咄嗟にノリツッコミできなかったぼくがいけなかった。

 

そのぼくの二回目の要求後、「さあ来い、英語の説明」

と構えていたのに、またイタリア語で説明された。

 

初対面でここまでしつこいボケは万国共通であり得ない。

ネタの仕込みを事前にしない限りあり得ないと思った。

これは何かおかしいと思い、

その女性の英語をよーく聞いてみることにした。

 

イタリア語の音程・発音に限りなく近い英語

であることが判明した。

 

確かに、ホテルのフロント・レストランのサーバー・駅員も

イタリア語訛りの英語を発していた。

それでもギリギリなんとか理解はできていた。

 

でも今回は違った。

訛りのある英語が来るとあらかじめ予想していたのにも関わらず、そうなってしまった。

それでも、単語レベルで何を云わんとしているかわかったから対話はでき、彼女の指示に忠実に従うことができ、その場をあとにした。

 

でも、今こうして帰国してから、あのときの彼女の顔、雰囲気、レスポンスを思い返してみると、彼女のことをすごく傷つけたのではないかと思ってしまう。

 

いろんな形の英語があるのは、カナダ生活の頃から痛いほど知っている。

 

これが正しい英語で、あれが正しくない英語、っていうのは

正直ないと思う。コミュニケーションできればそれでいいのかな

 

と思い始めていたときにおこった出来事だから、

なんだか複雑な心境だ。

 

と言っても、こういう言語的トラブルも、

のちのちはAI(人工知能)翻訳さんが解決してくれるんでしょうけど。

 

このご時世、いろんなハラスメントがある。

「髪切った?」だけでも

セクハラと言われる少しおかしな時代です。

 

きっと、もしこれを未来の日本でやってたら、

言語的嫌がらせだ、なんて言われて訴えられていただろう。

 

おー怖い。