だからこそ『学び合い』

ダニエル・ウェグナーのトランザクティブ・メモリー

という組織学習をご存知でしょうか。

 

組織全体が同じ知識を共有する必要はなく、

組織内の誰が何を知っているか(Who Knows What)

が共有された状態のことです。

 

日常生活での出来事を例にわかりやすく説明すれば、

ぼくがママチャリの後輪をパンクさせたとして、

それを友人Aに相談したとします。

僕:学校からの帰り道でガラス踏んでパンクさせちまったよ..

A:あぁ、それなら△△さんのとこいくといいよ。以前、わたし自転車のパンク直してもらったことあるんだ。彼ならきっと直してくれるよ。今連絡してみるね。

 

と自分の専門外知識を補ってもらえる、そんな環境ですね。

 

このトランザクティブ・メモリーで重要なことは

恩恵をもらえる環境にそもそもいなくてはならないこと。

つまり、恩恵をもらえるということは、逆に自身も恩恵を誰かに与えられる存在になっている必要があるということです。

だから、自分の専門性を磨く必要がある。

オールマイティじゃなくていい、自分が誰かに必要とされるような人材になる(=専門性)のです。

そういう点を考えると、学校内の定期テストで5教科平均80点以上を目標にしていた学生時代がバカバカしく思える。

とは言っても、みんながみんな、

自分の専門性を磨けるとは限らないんですけどね(;^_^A

 

またもうひとつこの考え方には重要な点があって、自身が、「誰が何の専門性を持っているか」をある程度は把握する必要があるということ。それさえわかっていれば、すぐに手を貸してもらえますし。

と言っても、自分のまわりにそれを知っている人が誰か一人でもいれば、問題ないんですけどね。だれかとだれかが繋がっていて、その一方と自身が繋がっていれば、間接的に繋がっているので、手を貸してもらえる。

重要なことは、蜘蛛の糸のように、中心とつながっていること。

 

この環境に一つ味付けするとしたら、「一人も見捨てない」という考え方がプラスされること。これってもう、最高の『学び合い』じゃないですか。

 

専門性を磨き、そしてそれを発揮できる人。

専門性はイマイチ、あるいは皆無だけれど、見捨てられない人。

 

すんごい単純な考え方ですけど、もうこれは至高です。

 

ぼくが『学び合い』の先に見ているユートピアは、

こんな幸せな世界です。