個別最適化の恋愛
中学の頃、野球部に所属していた。
その中に、クラスも同じ友人が4人いた。
基本その4人とは仲良かった。
けど、自然と仲良くなったのがそのうちの2人だ。
理由は簡単で、当時、自分たちが好きだった人が共通して
ある部活の子たちだったからだ。
同じ部活に各々の好きな人が存在する、て感じです。
人間とは不思議なもんで、同じ境遇にある者同士、集る、一致団結する。
中学生という段階ではまだ「付き合う」という至極漠然とした関係に対して疑問符が浮かぶ中、とりあえず告白をしようと考えてみる。
「俺そろそろ告るわー」
「え、じゃあ俺も」
「お前もしろよー」
そういう言い合いがあった。
周りに合わせたがる中学生特有の時期。
最終的に、同じ日に告白をした。
2年生の夏休みに入ってすぐのことだった。
付き合い始めてから、お互いの状況報告も怠らなかった。
自信のなさを埋め合わせるためだった。
もちろんトリプルデートもした。
とてつもなくぎこちなく、デートの何が良いのかわからなかった。
3組中2組はだいたい同じ時期に別れた。
というか女性の方が口裏合わせて、そういう雰囲気が出来上がっていた。
今思えば、どこか宗教チックな共同体のような変なカップル集団だった。
なぜに他のカップルの様子を伺いながら付き合わねばならないのか。
他人のスキンシップをなぜあそこまで気にしていたのか。
おかげさまで自分の意志が削がれた恋愛をしていた。
空白の期間だった。
うちはうち、よそはよそ。
それで良かったのに。
自分なりの愛情表現があったのにも関わらず、
まわりに合わせていたら歪な人間関係を形成していたなぁと
過去を振り返ってみる。
今は、誰の目も気にしないで、
自分の愛を実現できていると思う。