『学校は行かなくてもいい』を読んで
Amazon Kindle Unlimitedに入っているから,読みまくらなきゃ損.
定期的に良本を探し漁ってる.そして今回見つけたのがこの本.
不登校になった方々の体験談だったり,小幡さんの考えが書かれた本で,非常に読みやすかったし,共感する部分もあった.
今回もちょっと備忘録がてら,長ーく書いてみようかしら.
1,不登校の豆知識
文科省の学校基本調査(2016)によれば,小中学生約13万人が不登校らしい.
児童生徒数が980万人の日本.
そのうち1.3%が不登校なんですが,これって
東京ドーム3個分の収容人数.
ぼく自身東京ドームに何回か入ったことがあるんで,その広さはわかってる.
こうやって具体的に示されると,唖然としてしまう.
今の学校に対してこんなに拒否反応を示しているのか,と.
そういえば不登校の定義ってご存知ですか?
「年間30日以上の欠席=不登校」とお偉いさんには定義づけられてます.
ただ,ここには保健室登校は含まれてません.
なんなら,「学校には本当は行きたくないけど仕方なく行ってる」というような早退者も含まれてないんです.
そう考えると,今の学校に不満を抱いている子どもって,
どこかの県の人口,3県分くらいいたりして..
2,学校の役割再定義
親にとって,「学校の役割」は「我が子を預かること」なのかなって思う,共働きなくして生きにくいこの世の中では.もちろん,学力・人間関係も大事なんですけど.
もし,子どもが学校に行かないとなると,ホームスクールの家庭教師を雇ったり,違うコミュニティで仲間を作るための移動による手間・費用がでてきたり,親がつきっきりにならざるを得ない状況も出てくる.
そうなると,いろいろと面倒だ.
学校に通わせておけばそんなこと考える必要ないわけですし.
でもそれは,裏を返せば,「条件整えば、誰でも学校に行く必要がなくなる」ということなんですけどね.
学力? インターネットがある.
人間関係? 近くの公民館で友人らと集まれば別に.
我が子の預かり? 先述したように,公民館さえあれば.
あれ,現段階で条件が揃ってるなあ.
3,義務教育とは
小学校のとき,
「なんでお前学校来てんの?」
と意地悪な子に言われたことがあった.
「勉強しにきてる」
が定番だけど,これじゃさらにバカにされる.
ひねくれた回答として,巷では,
「義務教育だから(しょうがなく来てるんだよ)!」
がご名答で,気づいたら台頭しはじめてた.
だが,ここでいう義務教育の「義務」は,
実は,
市町村が区域内に学校を作らなきゃいけないという義務のことで,「子どもが学校に通わなければいけない」ということではないんです.
「適切な年齢の子どもを持つ保護者は子どもに教育を受けさせる義務がある」というのはあるが,学校に通わせるという意味ではないんです.
この知識,結構大事です.
子を持つ前に知って,良かった.
4,大人としてできること
不登校を続ける筆者は,頑なに学校に行くことを拒否った.
いろんな手を使って,ずーっと断り続けた.
それを見かねた親は,
「この子はもう学校に行かないな」
と諦めがついた.
ただ,「見捨てる」わけではなくて,
「あなたの人生を生きなさい」という態度で,筆者の行動を受け入れた.
でも,学校に行かないとなると,
引きこもりがちな筆者はどんどんダメになっていくのは目に見えていた.
それでも,「学校へ行きなさい」とは言わない親.
何をしたかと言えば,「選択肢を出し続けた」んです.
これあるよ,あれもあるよ,と,イベントなどを紹介し続けた.
時には勝手に参加申し込みを済まされることもあったが,
一応それにもしぶしぶ参加する.
拒絶することもあった.
そんな中で,いろんな要素が組み合わさって,
人生の転機である「山田かまち」の作品に出合い,変わる.
まあ,何が言いたいかというと,大人として,親として,教師として,
「その子」に対してできることって,
一方的に相手の事を思って機会を与え続けることなのかなぁ.
その中で,たまたま拾い上げたチャンスを皮切りに,
人生が変わっていく.
これでいい.
この本を読んで思ったのは,学校に行く目的が無いなら自信を持って「学校に行かなくてもいいよ」と声かけてもいいし,「学校に行ーかない」と決断してもいいんだなってこと.
ぼくは,親として子に,
「なぜ学校で学ぶのか?」
をお互いに追求していきたい.
そして,お互いに納得できれば学校に行っても行かなくても良いと思うんだ.
「普通」の学校に行かなくても,人生何とかなってる人,成功してる人,いっぱいいる.先人の存在が,勇気づけてくれる.
個人的にはそんな本でした.