見てるし,覚えてるよ~教師になるということ~

ぼくは初対面の人には,インパクトを与えられない。

だからなかなか覚えてもらえない。

 

一定期間過ごしても、そのうち忘れられる。

一緒に活動しても,だ。

 

その相手に会ったときに,

「あ~この人の目の動き,今,ぼくの名前を懸命に思い出そうとしてるな」

 

「もう何分も話してるけど,一向にぼくの名前が出てこないってことは,やっぱり覚えてないかぁ」

 

場合によっては,

「あれ,この間この話したなぁ。。もしかして会話の内容,振り出しからか」

 

頻繁にこんな場面に遭遇する。

ぼくは相手の名前をしっかり覚えているだけに,なかなか悲しい。

 

だから、深い関わりがなく,数回しか会ってないような人に対しては,「この人,俺のこと忘れてる」という前提でコミュニケーションをとるようにしている。

 

でも,気持ちはわからなくもないです。

 

だって,ぼく以外の人とも会っては話をしてるわけですから,

脳内で常に「新しい人」が更新されていく。

 

「めちゃくちゃいる新しい人たちの中の1人」

である上に,インパクトが薄い。

 

 

でも『教師』という立場になってしまえば,また違ってくるのかなと思う。

忘れられない存在になれるのかな,なんて。

あ,生徒に対してです。

そこそこ多くの子には覚えられる気がする。

 

クラスにいる30人の子にとって,

1人の教師というブランドがある。

なんか見えないスポットライトを浴びている。

 

ゲレンデマジックならぬ,スクールマジック。

 

注目する子はすると思うし,ずっと覚えててくれるはず,

こんなインパクト弱めのぼくでも。

 

ぼく自身,長期記憶力が発達しているせいか,

2歳の時,アスファルトに向かって顔面から転んで鼻の下が血だらけになった瞬間ですら,まだ鮮明に覚えている。

その他の遠い昔の記憶も,まだいろいろ覚えている。

 

そんなぼくは,今でも関わりのなかった中学校のときの先生の顔や名字まで、全員わかる。

 

なんかスポットが当たっていたから,自然と記憶している。

 

教師陣は,「数ある生徒の中に混在している垂れ目の子」,くらいにぼくを認識しているだろう。

でも,ぼくは,今でも記憶している。

学校内における教師というマイノリティなポジションゆえ,

ぼくはずっと,一つ一つの行動を見ていた。

(監視まではいかない)

そりゃ,覚えちゃいます。

 

 

ぼくもそのうち,行動一つ一つを見られる立場になる。

 

そんな存在に,もうすぐなる。

 

ぼくの名前も,話した内容も,他人から忘れられない存在になる。

 

願ったり叶ったり,かもしれない。

ただ,若干の怖さもある。

 

教壇に立つまでもう1か月切ったなー。