『フリー<無料>からお金を生みだす新戦略』を読んで
メルカリを漁ってたら,発見。
直感的に読みたくなって,即購入。
読み終えて感じたことは,
一つの作品/商品を無料で出しても,
赤字にならない場合もあるんだなぁ,と。
きっと,キンコン西野さんが動画や本の中で言ってる,
「メインの収入源は別に用意して..」のところに通ずるんだと思う。
未来の自分に投資してるような,そんな感じ。
例えば,一人の音楽アーティストが曲を作ったとします。
制作費は,なんでしょうかね。
スタジオ代,協力してくれたスタッフの人件費,CD化のための物理的費用...その他いろいろ,といったところでしょうか。あと,「自分の時間」もですね。作詞作曲だと,肉体的にも精神的にも,結構負担がかかります。
だけども,
その曲を,CD(アトム化)やオンライン(ビット化)で無料で出しても,制作費の元は取れますし,なんなら,それ以上のお金が入ってきます。
なぜなら,無料版ゆえ,消費者が何気に手に取るチャンスはグッと高まります。
そして中には,そのアーティストに興味を持ち,
将来においてファンになる可能性もあるでしょう。
きっと,今後行うであろうツアーやライブ,有料のグッズ,アルバム..
どれかに身銭を払ってくれる可能性があります。それも定期的に。
もちろん,みんながみんな,ファンになるわけではありませんが。
でも,興味を持ってくれる人は,増えていく。
無料というだけで。
その増加傾向のおかげで,
いつしか有名アーティストになったならば,
スポンサーもつくだろうし,
広告塔としてCMとかに抜擢されるかもしれません。
TV出演もあるかもしれません。
「収入=音楽活動によって生まれたCD」という考え方ではなくて,「音楽活動によって生まれたCDは所詮,自分の宣伝材料」と考え,「自分の収入はそこから派生した活動から生まれる」と考えれれば,実現できそうです。
「まずは自分のことを知ってもらう」ことがどれだけ重要かがわかった。
もちろん,その生産物に価値がないと判断されれば,
それまでの話ですが。
ここで書いたことは,一部です。
フリーでも成り立つ原理をもっと詳しく知りたければ,
一度実際に読んでみることをお勧めします。
「あの経営が成立してたのって,こういう仕組みだからかぁ」となるはずです。
そういえば,以前,
この無料化の原理を,『学び合い』の宣伝にどうにか活かせないか,
西川先生に相談したことがあります。
例えば,英語訳本がもう出てるわけであって,
それを世界中の人に,気軽に手に取ってもらえて,
少しでも興味を持ってくれたならいいなあ,なんて思って。
結論としては,「No」だった。
・無料というだけで手に取る程度の人(身銭を払わない人)は,
経験上,真面目にやらないし,結局根付かない。
そしてそもそも,そんな人には興味がない。
・でも,例えば,アメリカの教育において,
16%が『学び合い』をやっている(キャズムを超えそうな割合)
ような状況なら,いいかもしれない。
という,感じでした。
言われてみればな,と納得する自分。
広まるのは嬉しいけど,
『学び合い』の重要な考え方は無視され,
形だけ実践されて広がるのは,正直悲しいし,
ぼくとしては本望じゃない。
「でも,その中の誰かはきっと理解してくれるから,,」
なんて考えてしまう自分がいるのも否めない。
考えれば考えるほど難しい..
でも,ぼくとしては,すごい良いキッカケとなる本でした。