『23分間の奇跡』を読んで
昨日,友人との会話で思ったことがあったので
ちょっとだけ。
以前,クーンの『科学革命の構造』を読んで,
パラダイムシフトの構造を知った。
西川研究室に来てから,
ロジャースのイノベーター理論,
ムーアのキャズム理論と出会い,
2:6:2の比率を知ってしまった。
ぼくのなかでこれらの理論さえ把握してしまえば,
もう,怖いものなしだなと思う。
批判の声が聞こえても,
「まあ,でも,大丈夫さ。気にしない。
パラダイムは時間とともに変わるから,
支持者は増えるだろう。
それに,わかる人にわかればいいし,これが本物なら,
そのうちパンデミックが起きて,一気に広がるさ」
なんて思えるようになった。
気がだいぶ楽になります。
だから,「自信もってそれはやり続けな」
て自分と他の人に対して思った。
話は変わって,現職ゼミ生の勧めで,
この本を読ませていただいた。
20分ほどで読めちゃう超短篇小説。
内容は,戦後の学校の,あるひとつの教室で繰り広げられる児童と教師の物語。
教育関係者,特に,「私はこういう考えだ」という信念がある方が読み終えると,「んー..」と微妙な心境に遭遇するのは,間違いないです。
ぼくもそうなりました。
『学び合い』実践者のぼくが,子どもたちの前で「幸せ」を語り,「幸せ」の保証を実現するために,『学び合い』を行う。
限りなく実現させたいがために奮闘しているぼく(教師)は,この本に出てくる「若い女の教師」と変わらないことをしてるんじゃないか?
そう思えました。
その教師がしていることは,一見,洗脳っぽいこと。
でも,言い表しにくいけど,洗脳とまでは言えない。
だって正しいんですもん。
けれど,,
と,逆説言葉しか出てこない,すんごい微妙な気持ちになる。
本を読み終えて,本来であれば,「この先生,洗脳やん!」と真っ先に言えなかったのは,きっと,それはぼく自身をも否定してしまうことになるからと気づいたからなんだろうなぁ。
「絶対」という立場はこの世にはなくて,
言ってみれば,真理もないと思います。
ただ,そういうのを理解した上で
自分の主張はこれからも続けよう,
そう思わせるきっかけとなった本でした。