『仕事はここまで削減できる!学校改革スタートブック』を読んで
現場出たての若造が「働き方改革」など抜かすな。
まずは現場に一定期間浸かってから物を言え。
なんていう声を,どこかで見たな。
(見たってことは某SNSなんですが。。)
でも,他所から来た新人(アウトサイダー)って,大事にされるべきだと思いますし,新人だからこそ見える現場に対する「違和感」を,先輩教員,管理職は拾って欲しいなぁ,なんて思う今日この頃。
西川先生が関わってるけど,珍しく『学び合い』とは離れた働き方改革本。
読んでみて浮かんだ考えを書き綴ります。
○年次制という文化
コラムに,「あるある特集」として載ってました。
初めて知りました,この文化。
一部の附属学校に見られるものらしく,
その学校に入ったばかりの1年次の教員は,
職員室では私語厳禁だったり,
会議は必ず黒色スーツ着用とか。。
懇親会等では,新しく赴任したばかりの教員は座布団を敷けない,とかとか。
まだいくつかありましたが,
おそらくそれらも氷山の一角なんでしょうね..
流石にこんな文化,今の時代もうないよね..?と問いたいが,そんな時代にいなくて良かったなと心底思う。
こういう闇は,コラムじゃなくて,1章分で紹介してほしかったです(笑)
それくらい興味深い歴史です,個人的には。
○キーパーソンは学年主任
学校を改革したいという気持ちがあるのであれば,
まずは学年主任にアプローチするのがいいのかもしれません。
まだ,職員組織を把握しきれてませんが,,
教頭・主幹教諭・指導教諭が中心となって行う経営会議があります。
校長の考えを追認しながら,学校を運営する上での重要な事柄を話し合う場。
そこに教務主任,研究主任を加えた重鎮を「核心的2割」だとすると,「集団を動かすライン=全体の5割」に迫るうえで大事なキーパーソンが,学年主任なんだそうです。
であれば,早い話が,
「何かを変えたい」と思い立ち,「よし!」と猪突猛進に取り組むより,まずは学年主任との人間関係を築くことが大事なのかなと。
そして,自分の考え・思いを伝え,バックアップしてもらう。
こちらの方が戦略的で,ぼくはいいなぁと思います。
○事前の説明は大事です
仮に学校内で「働き方改革意識」の合意を全職員から得て,ベクトルが向いたとしても,忘れちゃいけないのが,保護者,具体的には,PTA役員の存在です。
うまく行くことが予想されている,
または進行形でうまく行っていても,特にPTA役員は憤怒します。
「なんで事前に教えてくれなかったんですか!」
「ひとり相撲しないでくださいよ!」
と。
ごもっともです。
学校は,児童生徒ー教師だけで運営されているところではなく,親の存在,地域の存在あってこそですもんね。
確かに,良い案が思い浮かび,それを相談しても,否定されるかもしれません。
でも,しっかり信念を伝えれば,ぼくはなんとか合意を得られると思ってます。
その手続きは困難かもしれませんが,
「PTA」という組織を味方につければ,
それは強力な働き方改革になるのは目に見えています。
この本は,あくまで大分大学教育学部附属小学校の「事例」なので,これを参考にして,自分たちの学校に合った改革をするのがいいのかもしれません。
この本を読んで,
「へー!こういうことしていいんだ!」
という新しい発見を得られたのと同時に,
「でも,ぼくならここも削りたい」
という思いも芽生えました。
刺激的な本でした。
ごちそうさまでした。