前進しつつ過去に縋る
教育系からちょっと離れようと思いつつも,実際,気持ち的にはそうはいかないもんで,先週,あるイベントにちゃっかりオンライン参加してました。
「この方からお誘いいただいたのだから,Noなんてことは絶対No」ということで勤務後,ネット回線びんびんのネカフェへ。
思ったこと,つらつらーと書いてみようかしら。
現代の「40年ギャップ説」
イギリスの教育者のマイケル・バーバーが提唱した「40年ギャップ説」,初めて知りました。初知りというより,「名無しだと思ってたこの現象,ちゃんと名前あったんだ」という意味での初知り。
どういうもんかと言えば,
学校に通う子どもの親は,自分が20年前に受けた教育を一つの判断基準にします。「私らはこんな教育を受けた。それを基準にするとしてー,我が子には..」みたいな。それに対して,教師(あるいは教育施策)は,子どもたちが活動する20年後の実社会を見据えています。この差が40年なんですって。
宇宙の光の関係と似てますね。
ある惑星が放った光が1万光年後に別の惑星に届く,みたいな。
ちょっと違うか。まいいや。
と言っても,肌感覚では,今はその関係,逆転してるのかなって思います。
保護者の方が鋭い視点で世の中を見ていて,子どもの未来を見据えていたりする。
近年オンライン授業を軸にした通信制学校のおかげで,公立校に見切りをつけてくれている。
「ここじゃダメだ」って。
一方で,現場の教師は,「オンライン授業ってのがあるらしいじゃんね」程度で,見据えてる子どもたちの未来はというと,1か月後,1年後,数年後,,そんな直近未来。
個人的観測としては,すごいスピードで異変が起きていることに,どこかの段階で「ん!なんかそろそろヤバい!」と大多数の教師は気づくはず(そうなってほしいという願望もある)。
茹でガエル状態の一歩手前で,事の重大さになんとか気づき,積極的にアップデートして,保護者と「未来を見据えた教育」を共に掲げ,伴走するのかなって,淡い期待がある。
あわーーーいっ。
進みながら戻る
3.11の惨劇後に,Build Back Better than Before(=創造的復興)という言葉が生まれました。
災害発生の復興段階で,次の発生に備えて,より災害に対して強靭な地域づくりをしようとする考えです。
簡単に言えば,「今までよりも良い状態に戻っていきたいよね」というもの。
このコロナの影響で,新しい価値観だったり,戦略だったり,生き方だったり,いろんな有益な結論が生まれたはずなんですよ。
「これはいらないかもね」っていう,本来であれば余分だった何かを削減をする方向性・決断も生まれたはず。
それらの「経験」を携えて,「あの頃(コロナ前)はよかった」という日常への執着があるゆえ,意識的に「あの頃」へ戻っていってるのに,後退・停滞することなくどんどん暮らしが良くなっていくのかなって。
「3歩進んで2歩下がる」じゃない。
「後ろを見ながら前へ進んでいく」,そんな感じ?
ちょっと違うか。うまい表現,いつも以上に出ないな。
いずれにしても,
「オンライン」というろ紙によって,
「オフライン」というビーカーに,人間がどうしても譲れない,数少ないメリットがポタポタと落ちました。
それがなんなのかがはっきりわかる前に,
すでにもう動いている人,団体,会社,いるんだね。