修学旅行の代替案は教員が決めない方がいい。

唐突だけど,高2の修学旅行は,京都・奈良・大阪でした。

いろいろ楽しかったけど,一番思い出深いシーンは,

案外,くだらないこと。

 

夜中にホテルの廊下で見回りしてる担任の先生が,なぜかぼくの部屋をロックオンして,イス持ってきてずっとドアの目の前に座り始めたんですよ。

 

それまで友人らと多少うるさくし過ぎたのが原因だったんでしょうね。

 

なんか束縛されてる感じがして,

変にムシャクシャしました。

 

何かを思いつき,ぼくはおもむろにポケットから携帯を取り出し,ドアの僅かな隙間から,先生に向けて大音量でモスキート音を流しました。

あれって耳鳴りに近い音で,どこから出ている音かなんて絶対わからないんですよね。

音のON/OFFを繰りかえして,姑息な攻撃をしてました。

 

のぞき穴から,向こうがだんだんイライラしだすのを確認できて,それがメチャクチャ楽しかった。そして,ぼくは優越感に浸っていた。

結構な時間を攻撃に費やしたのに,先生は自分の部屋の前をずっとうろうろしていた。「しぶとい!」「早く行け!」と思いながら,深夜1時まで続きました。

 

翌朝,「こうだい,昨夜のことちょっといい?」と,バチボコ怒られたんですがね。バレるもんなんですね。

 

まあ,楽しかったんだわ,その瞬間が。

 

 

話はちょっと変わって。

勤務校もそうなんですが,だいたいどこの学校も,

「今年度,修学旅行を決行するか,どうか」

で悩んでいます。

 

7月には正式にイエスかノーの決着がつきます。

 

ぼくのとこ,小さい学校なので,

判断がギリギリでもなんとかなるんですよね。

 

まあ,ガヤが言わんくとも,現場もわかってるんですよ,コロナの脅威を。

この期に及んで修学旅行だなんて何をバカな,という批判も。

重々承知してます。

 

ただ,おそらく全国の教員全員,自分らが経験した修学旅行を思い出した上で,今の現状に追いやられている生徒を見ると,胸が苦しくなるんでしょうね。

「修学旅行..なんとか..」

「修学旅行に近い何かを」と。

 

ぼくは結構ブルーでドライなところがあるので,

イチ教員として,割り切っちゃう部分もあるんですが。

「仕方ないさ,運が悪かっただけだよ」

と。

と言いつつも,生徒らと同じ立場だったら,めちゃくちゃ駄々こねるから,本当質悪いなあ自分。

 

でも,代替案は大事だと思います。

修学旅行というものから形を変えて,かつ安全を考慮した上で,どれだけ修学旅行に近いクオリティのものを発案できるか,これがキーなのかなって思います。

形は変わってるのに,内容やら感覚やら青春やらが,似てる何か。

 

それか,いっそのこと,

「O泊O日という日程で,□□やXXをして帰ってくる」というありきたりな修学旅行をやめて,新たな旅程を考えてみるのもいいかも。

というか,「旅程」じゃなくてもいいのか。 

 

修学旅行ではなくて,でも修学旅行と同じ位置づけにあり,なおかつ修学旅行以上の,別の企画。

 

 

 

んー,教員じゃ思いつかんね。

 

「守らなきゃいけない条件があってさ,それさえ突破できればなんでもいいのよ。んでもって,自由なのよ。そこでさ,,君らはどうしたい?」

と,生徒に聞いた方がいいよね,下手に教員だけで議論するより。

 

その方が,満足のいく修学旅行に替わる何かが生まれるんじゃないかって。