中学3年生に打ち明けるぼくの思い
この間の授業が印象深くてさ。
その日は,中3の子に(個別)授業してたんですよ。
新しい単元に入るもんだから、ホワイトボード使って新文法を教授してました。
ブワーと解説し,ひと段落して後ろを振り返ったら,その生徒はぼくを見つめながらなんだかキョトンとしてるんですね。
あれ,ちょっとハイペース過ぎたかなと思っていた。
すると開口一番に,
「なんか今日,先生ちがう」
と言ったんですね。
「ん?どういうこと?」と聞くと,
「なんかいつもと雰囲気が違う,これはなんかありましたね?」
と問われました。
なるほど,この子は結構鋭い感覚をお持ちで。
そうなんです,その授業直前まで,
ぼくがこの世で二番目に嫌いな「一斉授業の指導案の添削」を担当教員にしてもらってたんですね。先(ゴール)が見えないくらいに赤ペンで修正されてしまい,気が滅入っていました。
そうはいっても,「これはこれ,授業は授業」だから,ぼくの中ではいつも通りの「こうだい」を演じて教室インしたはずなんですが,他人の目からはお見通しなんですかね。
そこまで落ち込んではなかったので,
露骨に嫌な空気は流れてるわけないんですね。
最近の子は,すごい。
だから,その中3の子に鬱憤をぶちまけましたよ(笑)
「来月,研究授業があってね,それのための指導案というものがあってだな..」と,(ぼくにとって)変な慣習を説明しました。
「大変だね」とか「ま,大丈夫だよ」とか声をかけてくれて,あんたはスナックのママかよと思いました。
ただ,そこから話は深い方向に向かって,
「ぼくが本当にしたい授業は何か」という話になったんですね。
『学び合い』というワードは出さずに,
『』の授業を,その子に熱弁しました。
「自分にフィットする教え方の上手い人と学んだ方がいいんだよね実は。」とか,「人との関わり方が結局大事なのね」とか,「俺こう見えて,誰一人も見捨てられない社会を夢見ててね」とかとか。
その子も聞き上手だし,いいタイミングで質問とかしてくれるから,もうめちゃめちゃ気持ちよく話せるんですね。
『』に関係する,イノベーター理論とかトランザクティブメモリーの話もするんですが,興味深そうに聞いてくれるから,それはもう楽しい時間でした。
まさか最初に『』の話を打ち明けるのが,先輩教員,同僚でもなく,中3の生徒になるとは思いもしませんでした。
あ,ちゃんと弁明もしましたよ。
「先生のその授業スタイルは,
どれよりも優れてるってことですか?」と
聞かれましたから。
「いやいや。ぼくはこういう考えでいるけど,決して他の先生方の実践が悪いなんてこれっぽっちも思ってないよ。
このスタイルに合わない子だっているわけだから,他の先生の実践も大事だもん実際問題。選択肢がいっぱいあったほうが良くない?」
と,答えました。
「でも,『』がいろんな面から判断して,マシだけども」と思いながら。