手話から指文字へ換わったときは注意
聴覚障害を持つ生徒に
「そういえばさ,君たちの手話コミュニティで,ぼくについて話すとき,ぼくのことはどんな感じで表現するの?」
と聞くと、手で顎をヒョイっとしてみせた。
ぼくの苗字には「福」が含まれているんですが,手話で福だけを表現すると,顎を図のようにヒョイっと軽く擦る。
仙人とかに生えてそうな長い髭をイメージしていて,まあ,「長寿=幸福」から派生してるっぽいです。
それにしても図の少年は,パッと見,顎が外れているように見えて,ちょっと好き。
話は戻って。
人の名前に関しては,苗字の一文字を手話で表現するのが,ぼくの勤務校に在籍する生徒の基本だそうです。まあ,でも,コミュニティによっては基本が違ってくるので,一概には言えないんですが。
彼らはもう,幼少期から手話の訓練をしてるので,もう手話してるときの手の動きが半端ないです(笑)
手話がとてもできる先生でも,「彼ら同士の手話,見ていてもたまに全くわからないときがあるんだよねぇ」と言っていたので,もうミステリー。
さっきの生徒に,こういう質問もしてみた。
「ちなみにさ,もしぼくが,生徒からめちゃくちゃ嫌われるような評判の悪い先生だった場合,それでも顎ヒョイでぼくを表現するの?」と聞いたら,
「その場合は指文字で”福”って表現すると思う」
と答えた。だから,
ですかね。
おそらく,手話には敬称の意味があるみたい。
ただ,それが指文字になってしまえば,
敬称は含まれないっぽい。
ぼくは,今は大丈夫。
そして,これからも大丈夫でありたい。
手話っておもしろいね。
ただ,生徒はみんな,人工内耳や補聴器のおかげで,そこそこ声は聞こえていて,中には,口の動きで何を話しているかを認識できる子もいる。
今のところ手話の必要性が限りなくゼロに近い。
手話の世界はおもしろいと思いつつも,必要性が感じられないと覚えようとしないのが人間であり,そして代表例がぼくである。
良い機会なのだから,ある程度は覚えるつもりでいるけどもね。