パンデミックガール
小2のとき、恋をしていた子がいた。
隣のクラスのショートカットが似合う子だ。
ただ,「あのときのぼく」と「25歳の今のぼく」が,「あのときの感情をちょっと説明してみてよ」と言われたら,きっと同じようにこう言ってから説明を始める。
「ああ,あれは,心の底から好きになったんじゃないよ」と。
どういうことかと言うと,
その子は,正直,ぼくのタイプじゃなかったんですね。
すんごい上から目線でほざいてますが(笑)
ぼくの周りの友人みんなが,
「あの子,かわいいよねぇ」と推していた。
「へぇ,ああいう子がかわいいというのか」
という感情が芽生え,
「じゃあ,もしあの子とぼくが両思いになれば,ぼくはみんなから羨まれるのかな?」という好奇心から,ぼくもその子を好きになりました。
好きになったというか,好きなテイでいました。
まわりの男子が好きになり始めた。
あの子が流行ってるんだね。
流行に遅れまいと,ぼくも好きになろう。
そんな感じで好きになった子が,その子。
おそらく,他の男子もそうやって好きになっていったはず。
イノベーター理論的恋とでも名付けようか。
過去に一人だけですね,こういう恋をしたのは。
今は,今の恋人が一番なので,
もう二度とすることのない,唯一無二の恋。
不思議な恋でした。
あの子はきっと,パンデミックガール。