気遣い受験をした教採
ぼくの勤務校の臨採の先生方の中には,
教採1次試験をなんとか突破した人がいる。
本当に嬉しそうだった。
おめでとう。このまま2次までゴー。
残念ながら1次試験突破できなかった先生もいる。
大丈夫,死にやしないさ。
気を取り直してもう一度,来年。
教採と言えば,3年前の初教採年を思い出す。
学4の時,2つの自治体を受けたんですね。
1つは,大学生をしていた頃に住んでいた自治体。
もう一つは自分が高校まで育った地元。
どちらも高倍率。
前者が本気の受験。
3,4年しか住んでない県に,なぜか強い愛着が生まれたんですね。
後者が記念受験。
18年間も住んでいたのに,全く「受かってみせる欲」がなかった。
記念受験ほど無駄なものはない,と思うタイプのぼく。
それなのに受けた理由として,
親から「受けないの?」と言われたから。
ただそれだけ。
倍率も高いし,合格するつもりはなかったけど,形だけでも受ければ親は安心するかな,という気遣い受験でもあった。
試験は二日間あって,両日,親に送り迎えをしてもらった。
片道50分もかかるのに。
こんな中途半端な気持ちで受けるあの受験は,
一体なんだったのだろうか。
ただ一つ言えることは,
なんだか心地よかった。
懐かしさがあった。
感覚としては,
高2,高3の感じ。
学校がなんとなく嫌になって,
不登校気味になった時期があった。
その日1日休むこともあれば,
わざわざ片道20分かけて学校区域内の駅まで
運ばれることもあった,多々。
その車の中は,「本当こうだいったら!いい加減にしてよ!」とガミガミ言われることはなかった。特別な会話もなかった。
部活の話,受験の話,天気の話,最近のニュースの話,そういう取り留めのない話をしていたら,駅に着く。
到着したら,「じゃあ,行くかぁ」と重い腰を上げ,駅に降り立ち,チャリにのって学校へ向かう。
あの車内の安心感の正体は,わからない。
それと全く同じ感覚が湧き起きた,あの地元の受験時の二日間の車内の安心感の正体も,わからない。
でも,なんだか好きだった。