学校に不審者がやってきたら。

今日は,勤務校で不審者対応訓練があった。

 

警察の1人が,「木刀を持った乱暴な不審者」を演技して,一人の先生はその人をなだめる。バックに2名の刺股隊を携えて対処する(仕留める),他の教員らは生徒がいることを仮定して避難する,そんな流れだった。

 

ぼくは生徒指導部の下っ端ということもあって,今回は動画撮影係だった。

その動画は,あとで全教員向けに警察の方々がリフレクションで使用するため,ある意味,なかなか重要な役割ではあった。

 

途中でpauseを押してしまったらどうしよう。

 

仮にスロー撮影,あるいはタイムラプス撮影をしてしまったら,どうしよう。いや,それはそれでおもしろいのかな,というガキっぽい考えをしていた。

25になってもまだこんな発想するのか,とちょっと自分にがっかりした

 

 

撮影係でしたが,まあ,あれだよ。

足,震えたよね。

 

なんてったって,不審者役の警官の演技が,めちゃくちゃうまかった。なんだろうな,ドラマに出てくる千両役者過ぎず,日常にありふれた大根役者過ぎず,絶妙なうまさ。

 

「訓練」てわかってても,ぼくは,

うわーやばいやばいやばいってなってました。

 

その不審者に一本取られたのは,

木刀だけを持ってると思いきや,

今回は,(おもちゃの)ナイフも持っていた。

 

3人の教員で木刀の動きを止めたのに,すかさずポケットからそのナイフを取り出されたもんだから,中心になって押さえてた教員は刺されてた。

 

一本アリだ。

 

「そんなのありかよ,,」と思ってたけど,

実際,十分にあり得るよなあ。

学校で暴れまくる度胸があるんだもん,

相当な覚悟をもって来てるはずだ。

 

 

そんなこと考えてたら,やっぱりふと思うのは,「ぼくはきっと,本物の不審者が来ても立ち向かえないな..」でした。

もちろん,自分のまわりにいる生徒を守るために優先的に全力は尽くす,自分の命優先しながら。

 

でも,ナイフや銃を隠し持っているかもしれない相手にぼくは,果敢に立ち向かえない。「あいつを押さえろぉ!」という学校側の君主的な命令にも,絶対従える気がしない。

 

「まだ死にたくない」という思いが

ぼくをきっと一歩もその場から動かさない気がする。

 

だから,ニュースとかでよく見る,

「数名を守るために自分の命を犠牲にした英雄」を見ると,「すごいな」という尊敬と同時に,「でもあなたの人生,そこで終わって本当に良かったの.?」とやるせない気持ちで一杯になる。

 

学校に不審者がやってきたら,,

ぼくはきっと,どれだけ訓練を重ねても,

立ち向かえない。

まだ死ねないという強い思いが大きすぎる。

 

 

まあ,早い話が,刺股接触攻撃なんかじゃなく,強い電撃ショックを中距離から与えることができるテーザーガンを学校に置いてくれよと,心底思う。

まだ,それならさ,,,

 

いや,なおも怖い。