「先生いなかったら、とっくにこの世いなかったです」
これまで出会った生徒の中に、
「先生(ぼく)と出会ってなかったら、実は私、
とっくに自殺してたと思うんです。」
と打ち明けてくれた子がいた。
ぼくが特別、その子に何かしてあげたわけではない。
じっくり話を聞き、そのうえで、
ぼくの考えをコメントするという、
至極当たり前のことをしただけ。
その子の発言に真っ向から否定もしなかった。
すんごい現実からかけ離れたことを言っても、
「いいじゃん!やってみれば!」
「不可能ではないと思うよ。」
と声をかけていた。
もちろん、「努力は必須だけどね」
という言葉も付け加えて。
お世辞なんかではなくて、心からそう思ってたからそういうコメントをしてたわけですが。
そんな感じで接していただけ。
たったそれだけ。
今までずっと暗闇の中にいたのに、
いきなり目の前が開けた感じがしたんですって。
たぶん、君は運が良かったんだね。
たまたま何かが二人の間で合致しただけで、ぼくがどこへ行っても暗闇から人を救うようなエンジェルなわけないんですね。きっと、ぼくとの出会いがあったのにも関わらず、不幸になった人、もしかしたらのちに自殺をした人、いるかもしれないですし。
ぼくがきっかけでなければ幸いだ。
それにしても、やっぱ「自殺」て言葉は
聞き慣れないな。
しかも、「自殺寸前」だった人を目の前にすると、
かける言葉が見当たらない。
まあ、でも、あれだ。
その命、大事にするんだよ。