聴覚障害を持つ生徒のライフハック
聴覚障害の生徒は、
もう言ってみたら、
手話に関してはネイティブなんですね。
だいたいの子は、幼いころから手話教育を受けてるもんだから、もうなんだろ、ぼくらが無意識で発する言葉レベルで手が動く。
指文字(50音を表すために50種類の形がある)なんかで、例えば、「信号機(しんごうき)」という単語を表そうものなら、手の動きが本当にえげつない速さ。
「え?今のその動きで相手に伝わってんの?」
と思うくらい。
健常者である教員にはわからないほどのスピードで、教員らの前で露骨に「いろんな」話をしているらしい。
「いろいろ」なんだってさ。
生徒とは仲良いから、
どんな内容を話しているか、聞けば教えてくれる。
本当に「いろいろ」だったねえ。
あ、個人的に好きなエピソードは、
教師から長い説教を受けるってときに、
補聴器や人工内耳の体外装置をこっそり外して、
その時間だけ無音の状態でいる裏技を駆使していること。
賢い。
いやならば 外してしまえ その装置
そういうスタンスの子もいる。
ぼくはそういう子に指導する気は全くなく、
「よし、もっといけぇ!」と逆に応援してしまうタイプ。