実録恋愛備忘録
昔,ぼくが恋愛に奥手なせいで,
当時狂うほどめちゃくちゃ好きだった人を,
別の人に横取りされたことがある。
別の人と言っても,そこまで深い関わりのない友人に,ですが。
実は,その悲劇が起きる半年前に,
「好きだから付き合って欲しいです。」
と,その子にストレートに気持ちを伝えていました。
ちなみに,@おしゃれなカフェ です。
「今は私自身,誰かと付き合う気分になれないんだ。」
「決してこうだいくんがタイプじゃないってわけじゃないけど。」
と,儚くも振られましたが。
なんかのドラマかよ。
こういう振られ方って本当にあるんだな,と思いました。
その言葉を聞いて落ち込みながら,
「でも,ということは,この先時間が経てば,
もしかしたら付き合うこともありえるってことですか?」
と下を向きながら聞き返した。
「んー。もしかしたらね。」
という返事が,おでこの先の方角から聞こえた。
そのあとぼくは微妙な感情をぶらさげて
アルバイト先に向かい,せっせと5時間働いた。
夜遅くに帰宅後,スマホを見ると,向こうから
「あのときはびっくりした。」
「でもこうだいくんが良ければ,これからも友達として仲良くしていたい。」
というメッセージが来ていた。
どういう返事をすれば良いのかかわからなかった。
ぼくはこの過去をなんとかして消したいと思い,
「今,体温計で測ったら熱ありました!
たぶんあのときどうかしてましたわ!」
と送った。すると,
「なーんだ(笑)」
と返ってきた。
嘘を保険にかけ,うまく和ませれた。
よし,これでなかったことに..シメシメ,と思った。
ただ,どうみても見え透いたごまかしに過ぎないし,相手も大人だから合わせてくれたんだなぁ,と今は思う。
ただ,その甲斐あってか,振った/振られたからといって,ぼくたちは気まずい関係になることはなく,むしろネタになったせいか,不思議と,二人で前よりも仲良く遊んだり出掛けたりするようになった。
結果としては「交渉不成立」で,気分はガタ落ちだったが,向こうの気分が変わればぼくに振り向いてくれて,晴れて「交渉成立」するんだろうなぁ,と当時の若いぼくは無邪気に捉えていた。
告白(リベンジ)のタイミングを今か今かと待ちわびていたら,半年がたった。
そんな矢先に,冒頭の出来事が起きました。
ぼくにはどうしても,なぜその二人がくっついたのか理解できなかった。
友達伝えによれば,
「その相手は特別顔が良いというわけではないが,
いつも会うたびに良くしてもらっているから。」
という本音を,メールのやりとりでゲットしたよ,と教えてくれた。
まあ,確かにその男性は,
ぼくにないものをしっかり持っていたと思う。
車とお金,そしてその子のワガママな性格にとことん付き合える能力。
「なんでこうだいくんじゃないの??」
というその友達の質問に対しては,
「だってこうだいくんは友達だもん」
とのことでした。
振られた後でも,前よりさらに絶対仲良くなっていたと確信していたし,「いやこれもう”ぼくたち付き合ってます!”て言ってもいいんじゃなかろうか?」と思えるくらいの雰囲気はあった。
そういうのに敏感なぼくが錯覚するはずがないのになあ,と後の祭りをずっと嘆いていた。
というか,完全にその男性と交際期間が被ってましたね。
その子にとって,
ぼくは「お友達期間」
その男性は「彼氏候補期間」
まったくもってお手上げだ。
ただ,もしあのときお友達期間を乗り越えて付き合ってしまっていたら,可能性としては,その子の影響で,今の恋人に漕ぎつけることはなかっただろうし,今こうして教師になってなかったかもしれない。
いや,それはないか。
でも,ほら,可能性としては,ね。
そう考えると,運命って石ころのようにいろんなところに転がり落ちてて,それを拾って「あ。」と進むベクトルを変えることもあれば,それに気づかず踏んづけ転げ落ちることもあるんだろうなあって。
怖い怖い。