思い出したけど。

ホワイトボードを使って

丁寧に授業をする。

 

黒のマーカー。

赤のマーカー。

たまに青も使って、

サッサッサ。

 

 

丁寧っていっても、

一斉授業主義者のそれと比較したら、

ものすごく下手だけど。

字は汚いし。

板書計画なんていちいちするわけもなく、

基本的にはその場で思いついたことを、

壁に掛けられた一枚の大きな板に書く。

 

教育委員会のお偉いさんが見たら、

「板書っちゅーのはな…!」と

お叱りを受けること間違いない。

 

そんな今日は、

普段、感情を顔に出さない一人の生徒が、

「わかった!」という、とてもスッキリした顔を見せた。

 

マスクで顔は隠れてるけど、

あれは間違いない、「わかった」ことに

興奮していた顔に違いない。

 

その瞬間、「お、そんな顔見せつけられちゃうと、ぼくも嬉しくなるじゃないか」と気分が高揚した。

 

でも、それと同時に、

ぼくが教えたことで見せるその顔を、

ぼくは求めていなかったことを思い出す。

 

そうだった、生徒同士の学びから生まれる「わかった」顔が見たいんだった。

 

そんなことを考えながら、

自分が置かれている環境を思い出す。

 

理想と現実。

 

授業レベルで生徒を考えている時点で、

だいぶ差がついてしまっているのかな、元研究室ゼミ生と。