空間から考える教室

中学時代に通っていた塾の自習室には、仕切りが設けられたデスクがいくつもあって、一種の「隠れ家」感が男のロマンをくすぐった。

 

 

特に、自習室という無音の空間で、母さんが作ってくれた最高においしい弁当を、なるべく音を立てずに食べるという行為が、たまらなく好きだった。

 

自習室は飲食禁止というわけではないのだけど、咀嚼音だったり弁当を開けるときに生じる音で周りに迷惑をかけないようにと思いながらも微かに音がしてしまうという、あの背徳感を抱きながら人間の3大欲求である食欲を満たすあの感じが、ぼくは好きだった。

 

変態チックに聞こえるのだろうか、これは。

いやでも、わかる人はわかる感覚だろうから、きっと大丈夫。

 

おかげさまで成績はほとんど伸びなかったです。

完全に絶妙な空間と瞬間に酔っていただけです。

勉強の方は結果が伴わず、新しい感覚だけ芽生える時代でした。

 

そうそう、空間といえば。

 

カフェ等をイメージしたオープンオフィスが、会社なんかでも導入されてますが、あれって実は個室のオフィスと比べてストレスレベルが高くて幸福感や生産性にマイナスの影響が出るんだとか。

耳栓だったり、カフェで流れているようなクラシックなどの環境音(サウンドマスキング)があれば、話は変わってくるのですが。

 

その点を踏まえて、教師が一方的に話しそれをひたすら聞くという授業スタイルがオワコンに向かってる中、改めて教室のあり方を考えてみる。

 

人をぎゅうぎゅうに押し込めた、

教室という大きな箱。

 

個人的スペースは机とイス。

小さなテリトリー。

 

うるさいったらありゃしない。

 

結局のところ、個別最適化された学びが保障されていれば良いのだから、学校としては環境整備にお金を割いた方がいいよねと。

それこそ、個別自習室や数人程度のための学習室とか。

 

欲を言えば、お互いにわからないところを容易に聞き合える、そんな空間がいい。

 

まあ、極論、言ってしまえば、

きれいな学校なり病院の廃墟でもいいと思います(笑)

 

そこから自分たちなりに、

素人リノベーションをすれば、

それなりに形になると思うので。

 

勝手に用意されるより、

自分たちでスペースを作っていく方がいいのかもね。

 

壁とか屋根とかWiFiとか、最低限の環境さえあれば、あとは利用者側で、予算内で物品を発注、が最高に気持ちよさそう。

 

なんていう妄想でした。