方言を忘れたフリをする人
一昨日、妻とビデオ通話してるときに、部屋に母が入ってきた。その場で少しだけやりとりをし、すぐにビデオ通話に戻った。
「方言と標準語の切り替えがすぐにできてて、見ていておもしろかった」という感想を妻からいただいた。
ぼくはなかなか訛りがすごいところ出身ですが、ここの切り替えは無意識にできちゃう。言語的な視点でみれば、周りの人から「えぇ!そこ出身なんだ!全然、訛りがない!」と驚かれる。
結構な頻度で褒められるのだけど、
飽きないっすね。
毎回、ご満悦ですもん。
そんなぼくですが、言葉は環境に依存するものだと思っていて、例えば話す相手が標準語ならずっと標準語で話し続けるし、相手が英語話者なら終始英語ですし、(地元の)方言話者ならずっと方言で話す。
それぞれの会話に、別の言葉や訛りは混ざってこないものだと思っている。意識的に話そうと思えば話は別ですが。
あと、例えば、18年間故郷で生まれ育ち、そののち、標準語圏に行って、うっかり方言が出ちゃうのは全然ありだと思う。だって、その方言が染み付いてるわけですから、突発的に出て当然。
ただ、上記と同じ状況の子がいたとして。
つまり、18年間故郷にいて、そのあと数年間、関西弁圏に行ったとするじゃないですか。
話す相手が故郷の方言話者であるにも関わらず、「すまんなぁ、関西弁が抜けへんねん」という輩を見ると「嘘つけ」と思う。
18年間という長い月日を故郷の方言で過ごしてきたのに、なんでたった数年の間に習得した関西弁がそれを凌駕するんだよ、と思わずにはいられない。
話す相手でそこはスイッチできるもんだろ、と。
ただ、なぜそれが起きるかは理解できる。
ほら、人間て心理的に自分を大きく見せたいじゃない。
「自分は昔の自分と違うんだよ!」というのを相手に密かにアピールしたいという欲が働いているということを察すれば、温かい目で見守ってあげるのがいいのかもしれない。
これは海外留学勢が日本に戻ってきてから
やたら相槌にUh huhとか使うあの現象と一緒。