アディオス、生徒諸君
卒業式でした。
卒担のため、呼名したり入場退場したりと、なんか久々に人から注目を浴びる役をしました。
式が終わってから教室に戻り、
保護者さんを前に生徒の前で1分くらい語りました。
「卒業したら自由て思われがちだけど、まあそんなことはなくて、社会はルールだらけ。でもゲームと一緒で、ルールがないと楽しめないのも事実だから、あんまり思いつめなくてもいいよ。気楽にいこ。」的なことを言った気がする。
でも、もっと語れば良かったかな。
「君たちはぼくの初担任クラスでさ、マジで一発目君らで良かった」とか「むちゃくちゃ楽しい1年間、ありがとね」とか。
でも、柄にもないことを言ってもそれはそれで恥ずかしいから、あれで良かったんだきっと。本音なんだけどさ。
生徒が学校を出たあと、空き教室で昼食を取る。
なんとなくさっきまで生徒がいた自分たちの教室に戻る。
生徒の教科書(置き勉)がなくなった棚。
掲示物が1つもない壁。
体育着が詰め込まれていたロッカー。
ぜーんぶ空。空っぽ。
その光景が妙に切なくて、
胸が苦しくなった。
なんなら泣きそうになった。
ここで、ぼくは、彼らは、確かに、他愛もない会話を繰り返し、それでもゲラゲラ笑うような日常を送っていて、教師として「それはアカンよ~」と注意したり、生徒から「面接緊張する」「あの授業イヤだわぁ」とか愚痴や相談を受けたりした。
で、帰りの会(ただの雑談タイムで、一般の学校でやるようなそれとは違う)に、「ほいじゃまた明日」といって、次の日が始まり、おっすーなんか言って、また1日が始まる。
そんなことを思い返すと、
本当、泣けてくる。
「あと〇か月で卒業やね」とカウントダウンしていたけど、本当に卒業してしまったのね。
ぽっかり穴が開く感じってこれか、と。
明日もいつも通り、
朝は教室で過ごす。
8時過ぎても生徒が来ないことに、
きっとまた悲しくなるのかね。
卒業式って、
喜びと寂しさの隣り合わせなんだね。
まあ、でも、
卒業おめでとう。
新天地でも結果を残してくれ。