授業実践を聞いて逆浦島太郎
特別支援学校で働いていると、一般の高校ではどんな授業が行われているのか、どうしても気になるものです。
ふつうの特別支援学校だと、、といっても、初任校が今の学校なので、「一般的な特別支援学校では〜」と一般論を唱えるつもりはないですが、教科の専門性ってぶっちゃけ皆無なんですね。
まぁ、聴覚の生徒とかだと「準ずる教育」が必須なので、専門性はある程度重視されますが、知的障害の生徒だと、国語や数学のような主要教科で学ぶ内容って、少なくとも自分が高校で学んだそれとはかけ離れていて、レベルも高くない。
でも、そのくらいがちょうど良いのかもしれない。
「難しさの先にある楽しさ」もあれば、基礎基本の中にも楽しさはあるでしょうし。
深く知り過ぎて頭がこんがらがってしまうよりも、広く浅く知識を付ける方が楽しかったりするわけで。
ぼくの学校は、後者ですね。
教える身としては物足りなさを感じるのかしら。
ぼくは「一般教養」を一斉授業で教えることのおかしさを知ってるから、まあこんなもんでしょという認識で教えている。
これも悪くないなぁなんて思いながらね。
でも、そのうち自分自身が高校に異動して勤務するということもあって、ここ(特支)の外にある高校も、そりゃ気になるわけでありまして。
そんなこんなで、オンラインで行われた教科の部会に参加してみた最近の話。
他校の授業実践を発表してくれてました。
こんな感じでうちの学校は授業してるよ〜という発表を聞く研修。
視聴者がいるのでそれなりに手直しをしたものだったとは思います。
普段の授業で絶対してないようなことをこの発表のためだけにしたような、お化粧授業を見せられた感じ。パフォーマンスに走ってるなぁ、なんて。
でも、お化粧してる割には、「え?一般の高校なのに、この(程度の)授業をしてるの?」というショックを受けました。
お化粧してこれなら、普段どんな授業をしているのだろうって。
ICTを使っているのに足並みを揃えた授業。
ゆえに、平等にみんなの時間が同時に失われていく設計の授業。
台本に沿ったような授業。
10年前に自分が受けた教育とほとんど変わっていなくて、逆浦島太郎状態。
世の中は目覚ましく変わっていっているのに、高校教育はなんでこうも止まっているのだろうという不安が芽生えました。
もっといえば、学校側はこういう古い教育を提供しているのに、どうして生徒たちは呑気に通い続けて、授業を受けているんだろうという恐怖。
なんで危機感を覚えていないんだろう、という意味での恐怖。
茹でガエル状態じゃないか、と戦慄しました。
高校行っても、
こうはならないようにしようと、
強く誓った瞬間でした。