君はこれまで雁字搦め教育
「先生が来年、担任になってほしい」
「先生のその雰囲気、いいよなぁ」
素直な子が、ぼくにそんなことを言う。
昔から、「妙な魅力」を持ち合わせていると勝手に自負しているぼくとしては、その言葉を聞いたとき、「たまにいるよね、こういう子」と、慣れた感じで思っていた。
それと、もう一つ、思ったこと。
「(この学校の)外を出たら、もっとおもしろい先生、いっぱいいるよ。」
その生徒は「井の中の蛙」状態なもんだから、
仕方ないんですがね。
おそらく、その生徒はこれまで「雁字搦め教育」の中で育ってきたんじゃないかな。
「これはしちゃダメ!」
「こうしなさい!」
「ダメなものはダメ!」
根拠が曖昧な、そういう規制が強い、
教師による教育を受けてきたんだと思うよ。
だって、ぼくはそれとは全く正反対の言動で
君に接しているからね。
「その規制、そもそも意味ある?」
のもと動いてるから、従来の規制はないんじゃないかな。
おそらく甘い先生にも見えたのだろう。
もちろん、ぼくの中で本当に大事にしていることは、
真剣に話すようにしている、たまにね。
そのくらいの塩梅が丁度いいんですかね。
ただ、学校の外に出れば、
もっと良い人に出会うだろうに。
たまたまぼくは、
君の感性に触れただけ。
比較的若くて、
比較的ハンサムで、
比較的おもしろくて。。
あと、ちょっと変わった思考を
持っていたりするところとか。
それだけのこと。