近づけない真意、離れていく子

自分がよく知っている人が

不登校になったときの衝撃はとてつもない。

 

でも、その衝撃は、実は「友人」程度の関係ではそこまでじゃない。

 

中学のとき二人くらい、自分のクラスメイト、他クラスの子が不登校になり、卒業式を迎えたことがある。

双方とは、メッチャ仲良いてわけじゃなかったけど、「あ〜来なくなったかぁ」ぐらいにしか思わなかった。

 

高校では同じ学年から5人くらい、

学校に来なくなった。

1人はまあまあ話しはする仲だったから、不登校とわかると、少し心が曇ったが、そこまでショックではなかった。

 

たぶん、親しい友人が不登校になっても、ぼくのことだから、「お〜い〜(笑)」とツッコんで個人的に連絡をとるだろう。

まあ、強いて言えば、不登校になった理由を何気なく聞く。そして、

「学校来た方がまだ楽しいし、将来的にも大事だよ」と心配するだろう。

些かも心は沈まない。

 

あのときはきっとそうだ。

 

ただ、教師という立場になって、

生徒をもつと、'中途半端'に生徒のことを知ることになる。

 

生徒との適切な距離感が必要な教師。

教科担当別に割り振られた教師。

 

そういうポジションだ、

そりゃ周りの生徒に比べたら表面上しか知らない。日常の一部しか見れてないわけだから。

 

噂話だって、だいたいはだいぶ経ってから耳に入ってくるわけですし。

 

ましてや、複雑な感情を持ち合わせた人間。

 

その周りの生徒だって、

言うなれば大してその子のことを知らないなんてことはザラにある。

というか、他者の本心には、人間誰しも辿り着けない。

 

だから、もし、教師として、よく知(っていたつもりでい)る子が、いきなり不登校になると、「え…?」となってしまう。

これまで順調だったじゃん!て。

楽しそうに学校来てたじゃん!て。

 

理由を問い詰めても、きっと、真意とはかけ離れたそれらしい答えを、理由を、誤魔化しを差し出すだろう。

 

だから、あのときの自分の言葉が、行動が、仕草が、その子を不登校にさせたんじゃないかと思うと、

あのときのいつかの、自分にとってその子との何気ない大切な時間を、どれも信じられなくなってしまう。

そして自分が自分を責め続ける。

 

 

なーんて、主語が誰なのか、いつの話なのかもわからないようなどんよりな話題を切り出してみる。