コノ世界ノ定理

 

どんなに細心の注意を払っても、人は失敗をするし、事故を起こす。

 

事故に巻き込まれる側になることもある。

 

GW期間とその明けに、ニュースでいくつもの交通事故が取り上げられていた。死亡事故が非常に多かった印象。

事故を起こした当事者と、巻き込まれた人・犠牲になった被害者もきっと、「まさか自分がそんなこと」「自分は大丈夫」と、事故が起こる前のずーっと前に思っていたに違いない。

その妙な自信があったのは、1年前からかもしれないし、10年前からかもしれないし、もしかしたら小学校のときからかもしれないし。

 

でも、確率論で言ったら、そんなことはない。

誰もがその可能性を抱えているんですよね、残酷なことに。

 

特に残酷なのは、巻き込まれる側ですよね。

悪いことを何もしてないのに事故に遭って最悪死んでしまう。

理不尽なこと極まりない。

 

それでも、誰にでも起こりうる。

 

というこの世のよくわからない定理をずいぶんと前にぼくは知ってしまったから、「じゃあしょうがないか」「運命だもんね」という領域に達して、今では常に覚悟ができている。そういうモンなんだから。

 

海外旅行先で死んでも仕方ない。

帰省中の電車で事故って死んでも仕方ない。

結婚前に通り魔に殺されても仕方ない。

それがこの世界の定理なんだから。

 

そうとわかってはいるのだけど、

どうしても悔しい。空しい。やるせない。

 

不器用な定理だ。