研究のすゝめ ~西川先生との対話を通じて~

 

昔、西川先生にぼくの論文(個人研究)を相談をしたことがある。

 

ちょいちょい難しいワードが出てくるから、基本スマホのレコーダーで録音している。

 

いろいろやることがあるけれど、

そろそろ個人研究も並行してやっていかねばなあと思い立ち、

そのときの会話を何気なく聞いてみる。

 

西川先生がゼミ生にされて呆れる質問はいくつかあるのだが

その中で顔がとろけるほど呆れるものは断トツで、

「じゃあ先生、何人にインタビューをとればいいんですか?

である。

 

研究を進めていく上で「インタビュー」は欠かせない(場合が多い)。

何もおかしくない質問だし、

ぼくが知っている過去の先生(教授)であれば、

「O~△人くらいかな」と親切にお答えしていただくことがほとんどだったから、こちらこそ顔がとろけてしまうほどビックリしたものだ。

 

まあ、耳にタコができるほど先生も何回も質問されたからなんでしょうけど。

 

先生の考えとしては、

「じゃあお前もし俺が『1万人』と言ったらその数のデータとるのかよ?」

だ。

 

うむ、確かに。

 

そして決まって続けてこう言う。

「論文を書き上げる上で、(調査)人数が多ければ良いってもんじゃない。

 アウトプットとして出てくる結果がチャーミングであれば良いんだよ」

 

人数的に少ないインタビューからより多くの情報を手に入れられるのならば、それでいいのだ。

 

ピアジェが我が子2、3人の観察データから歴史に名を残したあの発達理論を生み出した事例を考えれば納得ができる。

とは言ってもピアジェは非凡人(天才・優秀)だから

圧倒的に少ないデータからでもすごい結果を残せるのですけど。

 

凡人のぼくは、間違いなくデータの数で賄うんだろうな、と少し悔しさが残る。