それは不運じゃない、強運や。
例えば一カ月先に、大事な旅行を控えてるとして。
でも、空港に向かう途中で地震が起きて新幹線が運休してしまうんじゃないかとか、台風のせいでその日飛ぶはずだった飛行機が欠航するんじゃないかとか、ぼく自身当日に高熱を発症して立ち歩くことさえままならないんじゃないかとか、パスポートをしっかりカバンに入れたのに空港ついてからようわからんミニノートを持ってきてたりとか。
で、結局、その大事な旅行を台無しにしてしまうんじゃなかろうか、
と変な不安ばかりが頭をよぎる。
旅行に限らず、スケジュール変更不可な大事な予定に関しては、
いつもぼくはソワソワしてしまう。
デートにしても、なんかの勉強会にしても、(物理的に離れた)帰省にしても、どうしようもない不安で胸がいっぱいになる。
もし万が一、そういった状況に実際に陥ってしまったら、
きっとぼくは発狂してしまう。
見えない何かに怒りをぶつけるに違いない。
でも、それをなんとか抑えるために、
存在すら怪しい「神様」というものが、
「行ったらあかんで。もし行ったら、お前事故で死んでまうねん。せやから、わし、妨害したんや。悪く思わんといてな。」
とぼくのためを思ってストップをかけたんだな、と思うようにしてる。
手相占い師にも、
「ひどい事故でも、あなたは生き残るタイプの強運の持ち主」
と言われたこともあるし。
そうとわかれば、
「生かされている」と思える、どんなにアンハッピーなことが自分の身に起きても。
なんて都合の良い考え方をする男の子でしょうか。