ぼくのお母さん。

ぼくのお母さんは若くして,ぼくを産んでいます.

同世代の友人に年齢を聞かれ答えると,だいたいが大なり小なり驚かれます.

 

そんなお母さんですが,ぼくが知る限りでは,

5回ほど転職をしています.でも,もっとしているかも.

 

1つ目は機械製造業の会社です.ここで父と出会いました.

2つ目はよく覚えてませんが,同系列の会社だった気がします.

3つ目は,ゲームセンターでした.ぼくが中学生の頃でしょうか.

休みの日に,たまにそこへ寄って,UFOキャッチャーとかで,

サービスをしてもらってました.

サービスと言っても,一般従業員がするそれと変わりありませんでしたが.

4つ目は,何を血迷ったのか,豆を売る仕事(訪問販売)に就きました.

色付きでフレーバー豊富の健康そうな豆.

ターゲットは老人でした.

「もっといろいろ仕事はあるのに,なんで..」と当時のぼくは思ってました.

でも,共働きじゃないと暮らしていけなかったのでしょう.

とりあえず,仕方なく選んだんだと思います.

 

「今日はあんまり豆売れなかったぁ」

「ここの会社,大丈夫なんかなぁ」

と時折愚痴ってました.

 

5つ目に,確か何か別の職種就いていたが,

ぼくが一人暮らしを始めたため,詳細は不明だ.

 

6つ目に,今の職場に辿り着いた.

不動産会社です.

ローカル不動産会社だけど,地元の県に3店舗,都市の方に1,2店舗あるそうで,もうちょっとしたら上場できるらしい.

50を前に定職せず,何度も転職していた母を社長さんは採用したのだ.

 

母の何かを見抜いたのでしょう.

そして母も,社長さんの「人としての良さ」を見抜いたのでしょう.

 

採用の電話がきたのはその面接から間もなくでした.

大抜擢でした.

不動産関係の知識はゼロだったのに.

 

働き始めて,なんだか生き生きしている様子を,

帰省のたびに見かける.

話していても,仕事での出来事がメインだ.

少し遅れましたが,やりがい生きがいを感じながら暮らす,

本物の「働きウーマン」に変貌を遂げたのです.

 

そこに就いて5年も経っていないのですが,

現時点で,新店舗の店長候補に挙がっているそうです,

先輩従業員を差し置いて.

本人曰く,「リーチ」だそう.

 

リーダーシップ,度胸,容量の良さ,,

さいころには気づけませんでしたが,

今になって母親の偉大さを知りました.

というかポテンシャルが活き出した.

 

その生き様,今更だけど真似させてもらうよ.

 

ただ,すぐにはコピーできないから,まだまだ長生きしてくれ.

そのためには長年続けているタバコ,やめてくれ.