ぼくは薄口郷土愛

25年生きてきたわけですが,

これまで4つの県で育ってきました。

 

一つは,言わずもがな,

冬の寒さが厳しい我が故郷。

18年間ですね。

 

そのあとは,大学進学のため,関東方面へ。

これは住民票登録期間で言ったら5年間。

 

で,院進学の関係で新潟県上越市で2年間。

 

そしてまた別の地へ移り,

教師としての今ですね。

 

地元を離れて今年で8年目。

どの地へ言っても言われますよ。

 

「いつこっちに戻ってくるの?」

「いずれは自分の地元へ戻るんだよね?」

 

ぼくの答えと顔はもうテンプレです。

微笑みながら,

「今のところは戻る気ないですね~」

です。

 

戻りたい気持ちが皆無なんてことはない。

けれど,地元に対する郷土愛みたいなのが,

すんごい薄いんだと思う。

逆に,ぼくの周りの人は濃口が多かった。

 

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※自分の田舎を美化した画像

親に勘当されたわけじゃないですよ。

連絡も随時取ってます。

ぼく自身,親のそばにできるだけいたい気持ちありますし,毎日,母が作る朝食と夜ご飯食べたいし,ゲラゲラ笑いながら父と談笑したい。

 

「苦い思い出が詰め合わされた18年間」でもないわけで,それなりに友達いたし,定期的に会いたい人もそれなりにいる。

 

それなのに,「猛烈に戻りたい欲」はないなぁ。

 

お金と時間が許すタイミングを見計らって(だいたい盆・正月の年2回),帰れるときに帰って,それで短期間の地元生活ができればいいのかなって思っている自分がいるし,どちらかと言えばその想いが強いのかな。

 

「今より一皮も二皮も三皮も剥けたい。

 あ,地元ではない場所でね。」

ということで始まった大学生活。

当時は,その決断がかっこいいと思ってた。

 

そして,ズルズルその生活が継続して,

気づけば今になってて。

 

今でもその決断に誇らしささえ感じる。

かっこいいと,今でも思っているのだろう。

 

よく帰省シーズンにもブログ書いてますが,

kohdai-0321.hatenablog.jp

 とにかく,良い意味で「変わった自分の姿」を地元の人に提供(お披露目)し,賞賛の声をいただければ,ぼくはもうそれで満たされるんだと思います。

「進化した自分」が,地元への還元なのかなって。

地元に戻り,定住し,自分の本来の日常を送るよりもずっと。

それがきっと,ぼくの幸せであり,満足でもあるのかな。

いつかはこんな小さいささやかな提供を卒業して,

もっと,こう,大きな「還元セール」を開催したい。

 

もちろん,地元に戻り,暮らすことで,

親の介護とか子育てとか,ホームシックにかからないとか,そういう面ではめちゃくちゃ有利なのは重々承知してますけどね。

 

それなのに,戻る気は今のところはゼロ。

婚約している恋人を,無理やり地元に

連れて帰ることは憚れるってのもありますがね。

 

自分がそんな実態のくせして,

学校の子どもたちには,

「地元に就職して暮らす方がいいよ」

とか

「一旦ここを離れても,いずれは戻ってきなね」

とか言っちゃうんだろうか。

 

本気でそう思ってないから,

どうせ子どもたちには見透かされるか。

千両役者ではないぼくには,思ってもないことを口にして演じ切るなんて,無残にも解体されたスペースシャトルを一人で修復するくらい難易度が高い。

 

正直者だから,きっとこう言うのかな。

 

「”地元に残る”という選択,良いよね。

憧れるし,ベターだと思う。

て言っておきながらぼくはできてないけど。

ぼくみたいに,いろんな事情・心情が絡まって,

それを実現できなくなることも,

可能性としてはみんなあるわけですよ。

合理化してるわけじゃないけど,

それでも良いんじゃないかな。

ただ,何らかの形で地元に貢献できれば,

あるいは貢献しようとしているなら,

それもそれで良いんじゃないかって思うし,

ぼくは,それも郷土愛って呼んでいいと思う。」

って,ゆるーく語るんだろうな。

 

全く,自分って本当くっさいな。

 

 

一見,薄口だけど,実は濃口なのかもね,この郷土愛。